2012年4月2日月曜日

中古?新品? 勇気を出してロゼッタストーンを楽しもう

RosettaStoneの中心となるパソコンソフトは、大きく3つの要素で構成されています。
それらはCourse、World、Studioと呼ばれています。
Courseは、独学による反復練習
Worldは、ストーリーとゲーム
Studioは、オンライン講習
となります。
ひとつめのCourseでは、画面に数枚、写真が表示され、それをマウスでクリックしたり、マイクに向かって話すことで英語学習を進めます。
英語音声が流れて、それに適した写真をクリックするヒアリング。
流れた音声をリピートする発音。
文章の一部を選択する穴埋め問題、文法。
等が、あります。

パソコンソフトによる自動学習で、ひたすら猿のように反復練習します。
初めのうちはそれなりに楽しいですが、やはり飽きてきます。
色々モチベーションを上げるような工夫はあっても、同じ事を黙々と繰り返すのは、本質的におもしろいことではありません。
私は、まだはじめたばかりなので断言できませんが、これを続けていれば、そのうち英語が使えるようになるかというと、そうはならないと感じています。
これは言語学習において当たり前のことで、机上の理論だけで言葉を操る力はつきません。
しかし、RosettaStoneは「パソコンによる学習ソフト」のように見えるものですから、完全に独学で学習できることを期待して購入される方もおられるかもしれません。
残念ながら、本物の人と会話せずに英語が身につくというのは、難しいというよりは、不可能であるという現実を受け入れなければならないと思います。
どんなに発音が良くても会話の力はまた別で、ネイティブと寸分たがわない音を口から発せられたとして、それを会話に使うとなると別問題です。
現実の人と会話をして、恥をかいたり、失敗したりしてこそ、言葉が自分のものとなります。
頭を痛めず、レールに沿って歩いていれば、スイッチポン!で自動的に目的地に着れていってくれるというわけにはいきません。
裏があるから表があります。闇があるから光があります。痛い思いや、苦労をして、その代償として何かを得られるのです。

私はRosettaStoneの中で自動学習のCourseが一番つまらないと感じています。
WorldとStudioがあるからです。
WorldとStudioはCourseで自習したことを実際に使ってみる場面となります。
Courseによる自動学習では絶対にできない本当の会話力をつけるためのものです。
相手はパソコンではなく、生身の人間です。
はじめてだったら、声が出なかったり、震えたりするかもしれません。
それで良いのです。日本人というのは失敗を恐れるそうですが、失敗しても良いのです。完璧である必要はありません。いや完璧であってはいけません。
私がはじめてWorldの音声会話によるゲームをしたとき、最初の説明文のところで間違ってスキップをクリックしてしまって、ゲームのルールが分からずスタートしてしまいました。いきなり失敗です。スタートして画面が出てきても何をどうしたら良いのかまったく分かりません。正直、焦りました。逃げようかと思いました。
しかし、相手の方はたまたま日本人の方で、事情を話して、ゲームを進めることができました。
相手がたまたま日本人だったのですが、仮にそうでなかったとしても、問題ありません。むしろそれで良いのです。自分にとっても相手にとっても、トラブルに遭うというのは、よい機会です。トラブルのような面倒は避けたいけれども、そういうことがあれば学習効果は飛躍的に高まります。トラブルはないことを願うが、あった方がよい。矛盾していますが、これこそがWorldの意味です。
Worldは、ゲームをはじめるまで相手が誰か分からないので、意表をついてきます。
韓国の子供が相手になったときがありました。子供ですからかなり雑な、英語というよりは、単語を話してきます。日本語はまったく通じないので、カタコトの英語の中でなんとかしなければなりません。大変ですが、それで良いのです。そう、これがWorldです。
Worldとはトラブルワールド。本当にすんなりゲームが進んだらつまらない。決まったことをするのはCourseで十分です。Worldはトラブルに見舞われて、スムーズにいかなかったら成功です。
ゲームでは自分の画面に出ている状況を相手に伝えたりしますが、苦労してOK。うまくいったら、な~んだ、こんなもんかで終わるじゃないですか。それではなんの学習効果もありません。
ゲーム部分以外の、あいさつしたり、相手に謝ったり、気遣ったり、といった部分も大切なのです。
Thank you!、Good bye!といった言葉。Courseでもやっていますが、それは現実ではありません。とっさに出る気持ちのこもったものではないのです。

でも、RosettaStoneの人間関係は深いものではありません。国も人種も様々で、相手の本名や住所も分かりません。
他の人は、自分と同じ英語学習者であって、基本的にはその場かぎりの極めてドライな関係です。
ですから、相手に何かを期待してはいけませんし、あなたも相手に何かしなければならないことはありません。
その方が、お互いに気楽でいいのです。

さて、Courseの話に戻りますが、いくらつまらないといっても、基礎学習は重要です。
Courseで基礎を学習して、それをWorldやStudioで実践してみる。
RosettaStoneは、3本柱をトータルに使って英語が学習できるようになっています。
言い換えると3つとも使わなければ意味がありません。
RosettaStoneをやってみようか検討されている方は、RosettaStoneは千本ノックで効率良く学習するものではなく、ゲームをしたり、Studioに参加したりと、楽しみながら学習するものだと理解した上で、利用されるのが良いのではないかと思います。
「楽しんで」英語を学習したいのであれば、勇気をもって、RosettaStoneに来てみることをおすすめします。