2018年3月20日火曜日

X-Plane11社員のプッシュバック運転手を外注に業務委託するとサービスが劇的に改善

X-Plane11にはプッシュバック機能がはじめから備わっていて、空港にトーイングカーがあれば、やってきてプッシュバックをしてくれます。真後ろ、右、左と3方向のプッシュバックが可能です。
標準で簡単に使えるのは便利なのですが、いくつか不満点があります。
ひとつが、プッシュバックする距離が固定なことです。ましてやタクシーウェイのセンターラインに合わせてきれいにプッシュバックしてくれるなんていうのはまったく期待できません。次にスピードが速すぎるということです。空港に1台しかなくて忙しいのか分かりませんが、すべての動作が急いでいて雑です。プッシュバックを開始して、エンジンスタートするのですが、エンジンが完全に起動する前にはもうプッシュバックを完了させてとっとと帰って行ってしまいます。特に帰る時はトーイングカーとは思えない素早い動きです。動きがあまり速すぎると重量感がなくてリアリティが感じられません。来るときはなかなか来ないくせに帰るときはやたら早いです。私がコックピット作業をしていてプッシュバックして欲しくないため、パーキングブレーキを解除しないでいると、繰り返しパーキングブレーキを解除しろと催促してきます。
また、トーイングカーで押し始めたとたん、機体が後ろに下がらず大暴れして、結局プッシュバックに失敗することがあります。ドライバーがせっかちな性格なので、あせって速く強く押しすぎるからだと思います。アクセルをじわっと踏まず、いっぺんに踏みすぎです。X-Planeは物理計算をまじめにやっているということもあって、停止した重量のある機体を前から強く突けば、物理計算に沿って機体が跳ね上がります。
そんなやる気のないプッシュバックドライバーを見かねてか、ベターなプラグインを作ってくれている人がいます。それが、Better pushbackです。

あらかじめトップビューでプッシュバックのルートを入力しておくと、その通りにきれいにプッシュバックしてくれます。
タクシーウェイのセンターラインに合わせてプッシュバックするなんていうのは、お手の物です。機体の前輪をリフトして、丁寧にゆっくりとプッシュバックしてくれます。今までプッシュバックに失敗したことは一度もありません。トーイングカーのエンジン音が付いているのも雰囲気がでます。要請すればすぐにやってきてくれますが、帰る時はすぐに帰らず、機体の横に移動して手を振って?見送ってくれます。

ちなみに、私はVRでやっているのですが、以下の3点を考えて使えばVRでも実用的です。
・あらかじめHMDをかぶる前にPre-plan pushbackにてプッシュバックのルートを入力しておく。
・プッシュバックの開始を手探りでもできるように、なにかのボタンに割り当てておく。
・Better pushbackのPreferencesで、プッシュバック後のdisconnectを自動で行ってくれるようにしておく。

X-Plane11のVRで、GTX970のVRAMの限界に達した

VRフライトにてX-Plane11で台湾の桃園国際空港のアプローチ中にいきなりメッセージウィンドウが目の前に現れて前が見えなくなりました。右目の前を隠される形になりましたが、見える視界の範囲でなんとか着陸させました。そのウィンドウは、頭と一緒に移動するのでずっとついてきて邪魔だし、読もうとしても頭と一緒に動いて逃げていき何が書いてあるのか読めません。また出てくると邪魔なのでとりあえず二度と表示しないというチェックボックスをオンにして、閉じてしまいました。
後日、再度、桃園国際空港にアプローチしていると、フレームレートが極端に落ちて、まったく操作できる状況になりませんでした。うすうす気づいていましたが、表示されていたメッセージはパフォーマンスに関する警告だったようです。X-Plane11にはフライトを再生する機能があるので、それを使って該当箇所のフライト中にどのような状態だったのか試してみると、やはり、フレームレートが極端に落ちます。周囲の景色を見ると、周囲に建物が多く、負荷が高そうです。
Windows10のタスクマネージャーにあるGPUのメモリを見てみると4GBをすべて使いつくしています。私のビデオボードはGTX970なのですが、その4GBでは足りないようです。
グラフィックスの設定にある質感のスライダーを一つ下げて、「高」から「中」変えてみると、問題の現象は起こらなくなりました。それでもフレームレートは低いですが、まだ操作できるレベルです。
X-Plane11でプラグインやらいろいろ入れて、設定を高くし、しかもVRで飛ばすとなるともうちょっと高性能なビデオボードが欲しくなります。しかし、グラフィックスの設定にこだわらないのであれば、GTX970でもなんとかなるということでもあります。

VRメインでX-Planeを使うというのは

X-Plane11はまだベータ版としてではありますが、ネイティブでVRに対応しています。あるいはFlyInsideというツールを使ってVR化する方法もあります。
私はX-Plane11ネイティブのベータ版でVRを使っています。VR機材はHTC Viveです。
HTC ViveのHMDとコントローラー

MicrosoftのFSXをやっていた頃、FlyInsideを使って、はじめてのVRでのフライトシミュレーター体験は感動しました。ディスプレイ画面の中にあったヴァーチャルコックピットに自分自身が納まって、計器やスイッチ類に囲まれている状態や、ウルトラライトプレーンで足元を流れる木々を見下ろした時、フライトシミュレーターを長らく愛用していたこともあったので、それまで平面ディスプレイでやっていたことがばかばかしく思えるほどでした。
航空会社のシミュレーター如く、航空機のコックピットそのままを自宅に自作している海外マニアの写真や動画を見ると、自分はそこまでしようとは思わないまでも、その気持ちはよく分かりました。しかし、もはやVRともなると、あらゆる機体のコックピットが自分の周りに現れます。そしてそれらを手を伸ばして操作できます。もちろん、物理的に触れられるシミュレーターと、VRとは違うと思います。それでも、VRがあれば、シミュレーターを自作しようとは思わなくなるのではないかとさえ思えます。
現状のVRは、解像度が不足しています。計器パネルは見えにくいです。特にFMSの小さな文字は顔を近づけないと読めないことがあります。外の景色も解像度がかなり低いため、その分、美しくありません。離着陸での滑走路の視認性もよくありません。そうした問題は将来、徐々に向上、解決していくことと思います。2018年現在の今日としては、このレベルということになります。それでも、少し前から考えると夢のような世界です。
X-Planeのベータ版はネイティブでVR対応

X-Plane11ではVRで3種類の操作方法があります。
1.ヨークやスロットルをVRコントローラーで掴んで動かす方法。
2.VRコントローラーをジョイスティックと見立てて、前後左右に傾けて操作する方法。
3.通常のジョイスティックを使う方法。
1は、手と腕でヨークを動かす動作になりますから、一番リアルですが、ヨーク、スロットルを掴んだ手にフィードバックがないのと、ラダーペダルは別途必要になります。
2は、ジョイスティック感覚で操作できますが、スロットルとラダーは1と同じ問題があります。
3は、VRでない通常と同じです。
私は、3の方法でやっていますが、本当はラダーペダルがあれば1の方法が一番いいような気がします。というのは、VRでは、オーバーヘッドパネルや、足元にあるFMS、シート横にある無線機器を実際にそこに手を伸ばして操作します。ジョイスティックを机の上に置いているのですが、その机の足にVRコントローラーをガンガンぶつけたり、机の下にVRコントローラーが入るとトラッキングをロストしたりします。コックピットオペレーションは想像以上に広いスペースが必要です。
ラダーペダルは高価なので手が出ません。大型旅客機の操縦の場合、ジョイスティックを触るのは離着陸時だけですので、それ以外の時は机を背にして、広い空間で操作しています。

VR用の設定画面

VRは高いグラフィックスのパフォーマンスが必要です。私はグラフィックボードにGTX970を使っているのですが、通常の飛行ではスラスラ余裕で動くものが、VRではアップアップです。
プラグイン等、多くのツール類がディスプレイ画面で使うことを前提としている場合があります。そのような場合、一時的にVRHMDを外すか、工夫が必要になることがあります。ちょっとしたことですが、メモをとったり、紙媒体のチャートを確認するようなことも不便です。
現状においていろいろ不便はありますが、そうした多くのことは、将来的には技術的に改善可能です。VRとフライトシミュレーターの相性はとても良いので、将来、VRの性能が向上したとき、VRはフライトシミュレーターの標準になると予想します。

現状においては、コストの問題を除けば、解像度不足が一番のネックです。その点が許容できるなら今すぐでもVR環境に移行されてもいいと思いますし、あるいは、今はもう少し高解像度化するのを待つのもいいと思います。そう言えば、ちょうど今日、解像度アップしたVive Proの価格と予約受付開始が始まったようです。

X-Plane11の海面の連続模様をなくす方法

X-Plane11でいまいちなのが海面の波に幾何学模様のパターンがあることです。解決方法を探すと、対策スクリプト「Water Fix and Default fog control xp11 1.1」(https://forums.x-plane.org/index.php?/files/file/36312-water-fix-and-default-fog-control-xp11/)が公開されていました。このスクリプトを使うには、「FlyWithLua」(https://forums.x-plane.org/index.php?/files/file/38445-flywithlua-complete-edition-for-x-plane-11-windows-linux-mac-os-x-version/)というスクリプトを実行する環境が入っている必要があります。

3種類のスクリプトがあります。
water_fix_more_wavy.lua
water_fix_less_wavy.lua
water_fix_standard.lua
インストール方法は、どれかひとつを「X-Plane 11\Resources\plugins\FlyWithLua\Scripts」フォルダの中に放り込むだけです。

私は、波が大きめのwater_fix_more_wavy.luaを使ってみました。海面の連続パターンを感じられなくなり、良くなりました。
しかし、波のサイズが大きすぎるので高度感がありません。スクリプトの数値を一部いじって、細かい波になるように調節してみました。
以下の行の5となっている個所を
set( "sim/private/controls/water/fft_scale3", 5)
15に変えただけです。
set( "sim/private/controls/water/fft_scale3", 15)
まだ波の粒が大きい気がしますが、とりあえずよしとします。